鍋といえば、寒い冬に楽しむというイメージが強いかもしれません。たしかに冷えた体を温めてくれる熱々鍋料理は、冬場に食べてこそおいしい料理でしょう。
しかし、冬だけが鍋の季節ではありません。実は、一年で最も暑い季節である「夏」に食べる鍋料理も魅力がたっぷり詰まっているのです。ここでは、夏に食べたいおすすめの「夏鍋」を20品紹介していきます。
目次
まず始めに、なんで夏場に鍋料理がおすすめなのか解説していきます。まず、夏は気温が高いため、自宅や職場、学校、商業施設などいたるところで冷房をきかせています。
本来、冷房の適温を守るべきなのですが、どうしても体感的に低めの温度に設定されていることが多いのが現状。会社によって、上司が暑がりだった場合は問答無用で部屋が寒くなっているということもあるなど、夏なのに実は体が冷えているのです。
そんな時、しっかりと暑くてスタミナのつく鍋料理を食べることで、逆に夏場を乗り越える力がつく…というわけです。
もちろん、夏場暑い時に鍋を食べて汗をかくことで体温を下がるため、逆療法にもなります。では、早速今年の夏から試したい、おすすめの夏鍋を紹介していきましょう。
夏鍋の定番と言えば、間違いなくキムチ鍋でしょう。辛く、汗をしっかりとかくことができるので、食べ終わった後に爽快感を感じることができます。
まず、キムチと一緒に合わせたいのが牛カルビです。冬場の定番としては豚肉、鶏肉といったところですが、夏場が韓国風にガッツリとカルビが美味しく感じられるでしょう。
野菜は、たまねぎとじゃがいもをたっぷりと入れたシンプルなものにして、素材の味わいをじっくりと楽しみます。隠し味として、牛テールで出汁を取るとより本格的な味わいになるので試してみてはいかがでしょうか。
カレー鍋は、一時期のブームの頃に比べれば落ち着いていますが、まだまだ人気の高い鍋料理のひとつです。特に、夏はカレーが美味しい季節でもあるため、鍋仕立てにするとより楽しくワイワイ食べることができるでしょう。
ここでおすすめしたいのが、海鮮を具材として使うというところ。暑い夏場は、少々胃が疲れていることもあり、肉などを食べる気分になれない…という方もいるでしょう。
しかし、不思議なものでシャケや海老、あさり、帆立などの魚介などであれば、まだ口に運べたりるのです。カレーも、あまり濃く辛いものではなく、クリーミーなものにすると全体の味わいがまろやかになって食べやすくなります。ブロッコリーなどを入れて、緑も追加すると見た目にもキレイです。
夏に食べられている野菜は、総じて「夏野菜」と呼ばれています。ナスやトマト、キュウリなどが一般的ですが、これらに共通するのが「水分が多い」というところです。
体を冷やしてくれる、という意味でも食べられているようですが、前述したようにこの時期の私たちは冷房などで十分に体が冷えてしまっています。
そこで、おすすめしたいのがトマトスープをベースにした、夏野菜鍋です。にんにくをしっかりと使ってパンチの効いた味わいに仕立て、和風だしで味わいを整えるととっつきやすい味わいに仕上がるでしょう。
ナス、トマト、キュウリ、ズッキーニなどを一口サイズにカットして、ラタトゥユ風に仕上げてみるとオシャレです。たっぷりと野菜の栄養が取れる上に体も温まり、一石二鳥。アレンジとして、もも肉などを入れるとより満足感が得られるでしょう。
キムチ鍋は夏場の定番ですので、アレンジしながらいろいろなパターンを楽しみましょう。
韓国風の海鮮キムチ鍋がお好きという方もいますが、本格的な味わいをつくるのはなかなか難しいもの。
そこで、おすすめなのがあさりをたっぷり使った、貝出汁がたっぷりとしみ出してみましょう。キムチ鍋の素を使い、そこに酒とあさりをたっぷり入れて煮込みます。具材は、豆腐やもやしなどを入れてから、じっくりと煮立たせましょう。
節約にもなりますし、煮込むだけでどんどん味わいが出てくるので、料理初心者でも安心して作ることができます。シメのおじやも最高に美味しいので、ガッツリ食べてスタミナをつけてください。
いつ食べても美味しい餃子。しかし、お酒が好きな方のなかには、暑い夏の日に焼きたて餃子を食べながらグイっと一杯!というのが、もっとも理想的という方もいます。
そのためか、夏餃子というのも、ひとつのキーワードとして人気があるようです。
さて、夏は焼餃子だけでなく、水餃子を鍋の具材にしてしまうのも一つのテクニックです。ズッキーニやトマト、ナスなどと一緒に水餃子を鍋にいれ、中華風の出汁で煮込みます。
そのままだと、さっぱりとした水餃子で終わってしまうのですがここで一工夫。ラー油やコチュジャンなど、中華料理を思わせる調味料をブレンドすることで、夏らしい雰囲気の味わいを生み出すことができます。刻んだ、小ネギをたっぷり散らすと見た目にも華やか。ぜひ、お試しください!
ちゃんこ鍋といえば、より冬場のイメージがありますが、「塩」というキーワードがあれば夏場にもってこいの鍋料理となります。夏場は汗を大量にかくためミネラル分が不足し、世間で「塩飴」などの摂取が促されます。
塩分過多はいけませんが、夏場体を温めると同時に塩分もしっかり摂取できるのが、塩ちゃんこ鍋なのです。具材は定番の鶏肉やキノコ類、キャベツなどでもいいですが、夏らしくトマトやコーンを散らすと見た目にも栄養的にもバランスが良くなります。
手軽に作れるので、ぜひチャンレジしてみてはいかがでしょうか。
数ある夏野菜のなかでも、それ単体で主役級の存在感を放つのがトウモロコシ。
暑い夏の日、縁日で提供される焼トウモロコシに舌鼓を打ったことがある…という方も多いのではないでしょうか。さて、鍋料理にトウモロコシというと脇役感があるのですが、夏場は思い切って主役として使うことをおすすめします。
バター風味のコンソメベースのスープにソーセージやベーコン、トマト、キャベツなどを入れます。茹でたトウモロコシやコーンをたっぷりと使い、鍋が覆い隠されてしまうようにすればインパクト大です。
シャキシャキ食感と甘さを感じる風味、バターとの相性も良いので食欲が無くても楽しく食べ進められるでしょう。
夏野菜を使った鍋は紹介しましたが、それらの彩りにこだわった鍋もおすすめです。夏野菜は、緑色や黄色、赤色などとにかくカラフルなのが魅力的です。
塩味をベースにしたシンプルな水炊きスープに、トマトやトウモロコシ、豆腐、空豆、彩りのズッキーニやパプリカをキレイに並べてみましょう。「栄養補給」という目的だけではなく、見た目にも華やかなで楽しめる鍋は皆が楽しくなること請け合いです。
彩りに合わせて、鶏肉か魚を使い分けるとよいでしょう。
ブイヤベースは、南フランスの郷土料理のひとつであり、魚介をたっぷりと使ったトマトベースの鍋料理です。
ムール貝や海老、貝類をたっぷりと使ったり、夏野菜、肉を入れても美味しくいただけます。シンプルかつ定番の鍋料理ですが、夏場は少しタバスコなどをプラスして辛めの味わいに仕上げてみてはいかがでしょうか。
ピリ辛であれば、汗もたっぷりかくことができますし、魚介のうまみとの相性も良いので食が進みます。定番をちょっとアレンジした楽しめるのも、夏ならではでしょう。
夏に東南アジアに旅行に行かれる方もいるでしょう。
通年、暑く湿度の高い東南アジアは独特の食文化を持っており、その味わいは日本人の舌にも合うものばかりです。夏場、鍋料理を楽しむのであればベトナム風の鍋もおすすめです。
レモングラスなどのハーブを使用した香り高い鍋料理は、暑い夏場に心を穏やかにしてくれます。シメには、フォーを使ってもいいですし、ニョクマムなどに具材をつけながら食べても楽しいでしょう。
夏野菜を煮込み、柔らかくして食べるのも良いですが、食感を残したしゃぶしゃぶも美味しく楽しめます。豚肉の箸休めとしてではなく、主役としてたっぷりと野菜を用意しましょう。
夏場は、さっぱりした塩ぽんずやニョクマム、ラー油の入ったようなタレが食欲を増進します。手軽なので、ぜひ試してみましょう。
夏鍋といっても、庶民的過ぎずちょっと豪華に楽しみたい。こういった方もいるでしょう。そんな方は、夏に牡蠣鍋をしてみると良いのではないでしょうか。牡蠣は冬場という印象ですが、実は岩ガキなどは夏場が旬を迎えるため、この時期に多く食べられています。
一般的な牡蠣よりは大きく生でいただきたい気持ちになりますが、軽く塩出汁のスープでしゃぶしゃぶしながら食べるとたまりません。柑橘を搾ったポン酢、薄切りの大根や人参なども合わせて楽しみましょう。
ベトナム鍋のところでも解説しましたが、夏場はハーブの香りを利かせた、華やかな気分になる鍋料理が似合います。ただし、あまりにも香りが強いハーブは初心者には強いので、クレソンを使った鍋料理から始めてみてはいかがでしょうか。
よく、ステーキに添えられているクレソンですが、豚肉をたっぷり入れた鍋などの臭み消しとしても活躍します。トマト、ズッキーニなどもプラスして、香り豊かな風味を楽しんでみましょう。
近年、人気沸騰中のパクチー。独特の風味に最初驚いた方もいると思いますが、クセになるとこの味をもとめて、どんどん追加してしまうヤミツキな美味しさを持つ香草です。
パクチーは、口の中をすっきりさせてくれるのはもちろん、食材の臭み消しとしても活躍してくれます。ニョクマムを使ったスープに魚介類をたっぷり入れ、それにパクチーを添えながら食べてみてください。爽やかな東南アジアの風を、自宅で感じられるはずです。
洋食系の鍋料理の定番、ポトフ。ソーセージにや人参、キャベツ、かぼちゃ、たまねぎなど、さまざまな食材を一度に楽しめる滋味深い料理として人気です。
さて、夏場はそんなポトフを辛めにアレンジしてみましょう。キムチベースのスープを使い、軽く唐辛子などもまぜるとより体がアップ。じゃがいもを入れると、ぐっと韓国風の味わいにもなるので、ぜひ試してみてください。
近頃、密かなブームになっている夏おでん。体を温める目的もありますし、冬場でなくても美味しい、という方が増えてきたということでしょう。しかし、夏場に熱々おでんは抵抗がある…といういう方もいるでしょう。
実は近頃、話題になっているのが冷やしおでんです。一度、しっかりと味わいを染み込ませたおでん種を、冷えた出汁のなかに入れて楽しむというものです。冷えているので、トマトなど普段そこまでおでんに入れない具材も美味しく楽しめます。ぜひ、チャレンジしてみてください。
夏と言えば、スタミナ!食欲旺盛な男性の方であれば、ガツンとしたパンチの効いた鍋料理を食べたいと思っているでしょう。
そんな方におすすめなのが、ニンニクをたっぷりと使った鍋です。肉は、あえてスペアリブを使い、ニンニクもたっぷりと入れましょう。
野菜はタマネギやキャベツなどシンプルにし、箸休めにサラダがある感じにした方がワイルド感が出て食欲が進みます。熱々にして、汗をたっぷりかきながら楽しみましょう。
鍋と言えば、もつ鍋。冬場、さまざまなもつ鍋を楽しまれる方も多いと思います。夏場に食べるモツ鍋は、少々くどいように感じてしまいますが、塩味であっさりとさせれば食欲が湧いてくるので試してみましょう。ニンニクとショウガをたっぷりいれ、ハーブを刻んだものを入れて爽やかさもプラスしてみてください。モツ鍋こそ「夏」。という、イメージになるかもしれません。
韓国料理でも人気が高い、スンドゥブ。夏場、食欲が無い時でも食べることができるので、ひじょうにおすすめです。
スンドゥブの主役は豆腐ですので、ヘルシーであり、カロリーにもそこまで気になりません。ニンニクを効かせ、ネギもたっぷりと入れるとよりスタミナがつくような気分になります。貝類を入れて煮汁を加えるとより美味しくいただけます。
鍋の中に、たっぷりと大根おろしをかけいれるみぞれ鍋。別名「雪鍋」とも言われており、まさに冬を代表する鍋料理といっても過言ではないでしょう。
しかし、だからこそ夏鍋にぴったりでもあります。暑く辛い夏、気分だけでも涼しくなりたいという方は多いでしょう。
水炊き、海鮮鍋など、塩ベースの味わいのスープに、たっぷりと大根おろしをかけまわします。爽やかで涼しげな見た目に、暑さでうんざりした日々の気分も和らぐはずです。
ここでは、おすすめの夏鍋を紹介してきました。夏野菜や辛さ、塩味、にんにくなど、夏に味わいたいキーワードで鍋料理を作っていけば、満足できる一品ができるはずです。ぜひ、夏鍋を食べて、日々の暑さを乗り越えましょう!